白内障手術に関する説明

白内障とは:目の中にあるレンズを水晶体と呼びます。これはチン小帯という細い繊維で眼球の壁に固定されています。水晶体の外側にはうすい袋(水晶体嚢)があり、この中のたんぱく質が濁るものを白内障といいます。

手術の名称「水晶体乳化吸引術+眼内レンズ挿入術」:手術はこの袋(水晶体嚢)を丸く切り取って穴を開け、そこから濁ったたんぱく質を除去し、残った袋の中に人工のレンズをはめ込みます。

 

手術によって期待される効果と限界:水晶体の混濁が取れることによって視力の向上が期待されます。白内障以外の病気(緑内障、糖尿病網膜症など)がある場合、期待ほど視力が向上しない場合もあります。手術で挿入する眼内レンズには調節力(ピントを合わせる力)がないため、術後のピント合わせに眼鏡が必要です。眼鏡なしで遠方に合わせるか、近方に合わせるか患者様の術前の眼の状態と希望に合わせて考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手術の合併症と危険性:

A.術中合併症

駆逐性出血(眼球内の急激な出血):手術によって眼球に切開を入れた時に高度の眼内の出血を生じるものです。非常にまれな合併症ですが、0.05%に起こるとされています。

発症した場合に失明する可能性もありますが、近年では硝子体手術によって治療できることも多いです。

水晶体嚢の損傷:眼内レンズを支える水晶体嚢が弱かったり、チン小帯が弱く水晶体嚢の固定の弱い目に生じます。通常の眼内レンズの固定はできなくなりますが、硝子体手術を併用して眼内レンズを眼球壁に縫合したり直接固定する方法で対処します(手術時間の延長)。

B.術後合併症

感染症:まれな事ですが、手術後に眼内で細菌が繁殖することがあります(4000~5000例に1例)。手術直後に起こる場合と、しばらく経ってから起こる場合があります。抗生剤や硝子体手術で治療します。感染が高度の場合は視力障害が残ります。手術後は傷の周りの清潔を保つことが大事です。

後発白内障:手術時に眼内レンズを固定するために残す水晶体嚢が混濁するものです。大なり小なりおこる合併症ですが、視力に支障をきたすような場合はYAGレーザーで除去します(外来で可能)。

眼圧上昇:多くは一過性のもので、薬物治療で回復する場合が多いです。特殊な場合(緑内障、糖尿病などを合併していたもの)には追加手術が必要となります

角膜混濁:手術操作によって多少なりとも角膜には障害が及びます。しかし、もともと角膜が弱かったり、角膜に障害を与える病気がある場合や手術困難な白内障手術後に角膜機能が落ち、角膜が混濁することがあります。重症の場合は角膜移植手術が必要となります。

飛蚊症:白内障手術で水晶体の混濁がなくなると水晶体の奥の硝子体の濁りが見え始めて気になったり、手術侵襲で濁りが増える場合があります。他の疾患を合併していなければ生理的なものを含めて心配ありません。

黄斑浮腫:白内障手術の炎症のため黄斑部が腫れて視力が低下することがあります。薬物治療で大半は治癒します。

眼内レンズの位置ずれ:病気・外傷・老化のために水晶体嚢の固定が悪かった場合、眼内レンズの位置がずれてくることがあります。再手術で新しい眼内レンズを固定しなおします。

眼内レンズの度数ずれ:眼球の大きさや形には個人差があり、手術前に検査した値と異なる結果が出ることがあります。生活に支障をきたすような場合は眼内レンズを交換します。

C.手術一般における危険性

手術にあたって使用する薬剤に対する予測不能なアレルギー、ショックが起こる可能性があります。また、全身疾患に起因する問題が生じる場合もあります。このような緊急時には医師の判断で患者様に最善と思われる対処をいたします。

 

以上白内障手術に関しての説明を致しました。ご不明な点があればお尋ねください。