硝子体手術(網膜細動脈瘤)に関する説明

網膜細動脈瘤とは:網膜の動脈硬化から生じるもので大きくなると血管内容物が漏れ出て視力障害を生じたり、動脈瘤が破裂した場合、硝子体出血や網膜下出血を生じ強い視力低下をきたします。早期に見つかればレーザー治療ができますが破裂した場合、硝子体手術で血の塊を取り除く必要があります。

 

手術によって期待される効果と限界:硝子体手術で出血を除去し、動脈瘤をレーザーで固めます。空気かガスが注入された場合、術後しばらくうつ伏せ姿勢が必要です。出血や動脈瘤の位置によって予後は異なり、視力低下や視野欠損、ゆがみが残ります。黄斑下に出血した場合や黄斑円孔を合併した場合は視力予後が不良です。手術後1か月目に血管造影検査をして動脈瘤が残っている場合はレーザー治療を追加します。動脈瘤からの出血が再発することもあります。

 

 

 

 

 

 

手術の合併症と危険性:

A.術中合併症

網膜裂孔:網膜の弱いところがあった場合、術前にほとんどは処置しますが、新たに裂孔ができることがあります。確率は300例に1例ほどです。生じた場合は手術中にレーザーで処置をします。

駆逐性出血(眼球内の急激な出血):手術によって眼球に切開を入れた時に高度の眼内の出血を生じるものです。非常にまれな合併症ですが、0.05%に起こるとされています。

発症した場合に失明する可能性もありますが、近年では硝子体手術によって治療できることも多いです。

B.術後合併症

低眼圧:傷口からの水の漏れが多い場合、眼圧が上がらず眼球にしわが寄ることがあります。治療しなくても大体は短期間で回復します。回復が遅い場合は傷を縫合します。

高眼圧:出血、炎症などで眼圧が上がることがありますが、ほとんどが短期間の点眼・内服治療で回復します。

硝子体出血:網膜下に残った出血が溶けて硝子体中に出てきたり、手術創から少量の出血が起こることがありますが、ほとんどの場合早期に吸収されます。多い場合は再度硝子体手術を行います。

網膜裂孔:網膜の弱いところがあった場合、術前に処置をしますが新たに裂孔ができることがあります。確率は500例に1例ほどです。生じた場合はレーザーで処置をします。

網膜剥離:網膜裂孔から網膜剥離を起こすことがあります。1000例に1例くらいの確率で起き、硝子体手術を追加して対応します。

飛蚊症:手術は目の中の硝子体をカッターで小さく切って吸引します。術後にわずかに残り飛蚊症の原因になることはありますが、異常ではありません。また、手術による炎症に起因する飛蚊症はガスがなくなって1週間ほどで吸収されて消失します。

角膜混濁:手術操作によって多少なりとも角膜には障害が及びます。しかし、もともと角膜が弱かったり、角膜に障害を与える病気がある場合や手術困難な場合に術後に角膜機能が落ち、角膜が混濁することがあります。重症の場合は角膜移植手術が必要となります。

感染症:まれな事ですが、手術後に眼内で細菌が繁殖することがあります(4000~5000例に1例)。手術直後に起こる場合と、しばらく経ってから起こる場合があります。抗生剤や硝子体手術で治療します。感染が高度の場合は視力障害が残ります。手術後は傷の周りの清潔を保つことが大事です。

C.手術一般における危険性

手術にあたって使用する薬剤に対する予測不能なアレルギー、ショックが起こる可能性があります。また、全身疾患に起因する問題が生じる場合もあります。このような緊急時には医師の判断で患者様に最善と思われる対処をいたします。

 

以上硝子体手術(網膜細動脈瘤)に関しての説明を致しました。ご不明な点があればお尋ねください。